こんにちは、RAF (@rafum_fragrance)です。
RAFUM.は、現役調香師による香りアイテム紹介サイトです。
香りに関する豆知識や、調香師の日常についても発信しています。

香水や柔軟剤のパッケージを見ると、「トップノートは○○…」という言葉や、「三角形の図」で香りが説明されているのをよく目にしますね。
私も初めて見た時は「どういう意味?」というのが正直な感想でした。
香水に興味を持ちはじめて間もない頃、これらの表示を見て頭の中がモヤモヤ。
- そもそも香水ってどうやってできているの?
- トップ・ミドル・ラストノートって何?
- 商品説明にある三角形の意味を知りたい
皆さんもこんな疑問を感じたことはありませんか?
実は、この3つのことを知っているだけで、香りの説明が簡単に理解できるようになります。
そこで今回は、
「香水の作られ方」
「トップ・ミドル・ラストノートの意味」
「三角形の図の見方」
この3点について、わかりやすく解説していきます!
香水ってどうやってできているの?
香水は何種類もの「香り成分」の組み合わせ

香水は、香料と呼ばれる「香り成分(匂いを持つ素材)」の組み合わせで作られています。
一つひとつの香料は、「甘い香り・酸っぱい香り」といった限られた特徴しか持っていません。
それらが数10〜100種類と組み合わさることで、”レモン”のような完成された香りが出来上がります。
香水の説明にたくさんの素材名が書いてあるのは、このためなんですね。
ちなみに香り成分には、天然由来のものと、化学的に開発されたものの2種類がありますが、いずれも人体に害のない成分のみが使用されています。
段階的に現れる香りの変化

香水をかぐと、時間がたつに連れてどんどん香りが変化していきますよね?
これは上記でお話しした通り、香水にはたくさんの「香り成分」が含まれているからです。
素材ごとの香りの立ち上がり方は千差万別で、10分だけ香るものもあれば、1日以上香り続けるものもあります。
そのため、香りが段階的に変化していくように感じるわけです。
三角形の図は「香りのレシピ」

香りの三角形図は、例えるならば「料理のレシピ本」のようなもの。
レシピを見れば、その料理に使われている食材と手順がわかるように、「香水に使われている素材」と、「香りの変化の流れ」が一目でわかる図となっています。
画像の通り、香りが3段階に分類されており、
トップノート(TOP NOTE)
ミドルノート(MIDDLE NOTE)
ラストノート(LAST NOTE)と表現します。
それぞれの分類の特徴は以下の通りです。
トップノート|香りの第一印象

香りをつけた時、最初に感じるのが「トップノート」。
香りの第一印象となるパートで、つけ立てから30分程度香ります。
香り成分の中でも、柑橘系やハーブのような、ふわっと軽く立ち上がる性質のものが分類されます。
ミドルノート|香りの中心部分

香り立ちがよく、約30分後〜2時間と長く持続することから「香水の中心部分」と言われます。
香水の特徴や個性が現れる重要なパートなので、自分の好きな香りが含まれているか意識してみてください。
様々な素材が分類されますが、主にフローラル系の香りが使われる場合が多いです。
ラストノート|最後に残る香り

香りをつけてから約2〜3時間後の香りで、その香水の残り香となる部分です。
つけ立ての印象で香水を買ってみたものの、残り香があまり好きでなかったという経験のある方は多いのではないでしょうか?
ぜひ香水を購入する際は、肌につけて数時間後の香りも確認してみてください。
素材としては、穏やかで温かみのある樹木系や、バニラのようなスウィート系、持続性の高いムスクなどが分類されます。
香水の構成を知り、自分の好きな香りに出会おう!

「トップノートはレモンが中心で…」
「ラストノートはムスクが包み込み…」
これらの説明は、それぞれの香り成分が、どのタイミングで香るかを表していたわけですね。
香りは変化していくものだからこそ、時間軸を使った独特な表現をします。
ぜひ今後、香水を手に取る際は、含まれている素材の情報や、時間による変化を観察してみてください!
<追伸>
「ローズやムスクなど、そもそも素材自体の香りがわからない!」
そんな風に感じている方も多いかと思います。
そこでRAFUM.では、香り素材の説明記事も積極的に更新していきたいと考えています。
それぞれの香りの特徴を身近なものに例えて、わかりやすくご紹介していきます。
そちらも楽しみにしていてください!